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野良猫シロちゃんのこと 長い文章になります

 しばらくシロちゃんの姿が見えません。最後に会ったのは、先週の火曜日くらい。

ごみ捨てに行く途中、本家の納屋の軒下の陽だまり、石の上か丸太の上にチョコンと座り、前足をお行儀よく揃えてこちらを見てくれているシロちゃんを目にしました。「温くていいね~。シロちゃん元気になって良かったね~」と言って、私は声を掛けたのでした。      

 実は、その数日前、餌を食べにこたつハウスから出る様子もなく、ずっと寝ていたシロちゃんなのでした。鳴いて何かを訴えるわけでもなく、ひたすらじ~っとしていました。三匹のにゃんずの中ではおそらく一番年上と思われます。

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 餌の時間になって、ほかの猫が元気よくハウスから飛び出してきても動きません。声を掛けると目を開けますが、撫でるとまた静かに目を閉じます。

 そんなシロちゃんが心配になり、今まで与えたことのない「チュール」これはラン嬢の大好きなおやつですが、だいたいのニャンズが大好きなはずと与えてみたら、静かにぺろぺろと食べたので一安心。小さなコップに水を入れて口の前に持ってくとペロペロと水分も取れたので二日間そうやって様子を見ました。

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 不思議だったのは、その間サビーと寅次郎は、ハウスの中に入ってこなかったことです。暖かいこたつハウスが大好きなはずなのに・・・・。何故なのか・・・・謎

 三日目にはハウスから出て畑に行った様子で、ああ回復したんだな~と安心していました。二日間飲まず食わずでしたが(チュールと水のみ)、痩せたりやつれた様子もなかったのです。

 しかし、その後、陽だまりで私と挨拶してからというもの、姿を見せません。


 野良猫は亡くなる前は姿を隠すとよく言われます。

 もしかしたら、お行儀よい姿勢で私を見つめていてくれていたのは、シロちゃんの最後のご挨拶だったのかもしれません。本当にあれが最後なのであれば、できるものならあの弱っていた時、温かいこたつハウスの中で私が撫でてあげた後で、静かに安らかに眠らせてあげたかったなあ・・・と思うのです。シロちゃんは撫でてもらうのが好きになっていましたから・・・・。

 野良猫は村にたくさんいますが、その子たちの亡骸というのはまったく目にすることはありません。道路で事故にあう場合は別として、野良猫たちは他の動物や人間に知られないように、藪の中や茂みに身を潜めて、一人静かに逝くのでしょう。

 そんな野良の仁義を全うしたシロちゃんなのでしょうか・・・・。

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さくら猫になった日のシロちゃん。

 せめて最後の二日間、チュールと水を私の手から食べて、体を撫でてもらい温かい寝床で眠れたこと、そして自分で最期の場所を探す力が与えられたのだとしたら、あの陽だまりでチョコンとお行儀よくこちらを見ていたシロちゃんは、最後の挨拶をしてくれたんだろうなと思います。

 厳しい野良の運命にさらされて、何年生きてきたのかもわからないけれど、少なくとも最後の1年は幸せな猫生だったと思ってくれていたら良いのだけれど・・・。いろんな人にも懐いて撫でてもらったり愛されたことが、シロちゃんにとっても幸せなひと時だったと信じたいです。

 シロちゃんがいなくなって、他の二匹もハウスに入らなくなりました。マイナス7度の日も・・・です。もしかしたら、野生の直感でシロちゃんの死を悟っていたのか・・・そしてシロちゃんの聖域と感じてもう近寄らなくなったのか・・・・それも謎ですが、汚れていた敷物を捨てて、毛糸のマットは洗濯して新しい暖かな布を入れてみましたが、それでも入りません。 これも野良猫の仁義でしょうか?

 19歳で亡くなった「タオ」も最後の時、泣きもわめきもせず、よろよろになってもトイレでちゃんと用を足し、最後はベッドに戻れずベッドの近くで力尽き、静かに静かに息を引き取りました。猫ながらその最期に、あっぱれと号泣したのを思い出します。

 猫って不思議、ある意味「人生の妙」を教えてくれる存在です。

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 三匹一緒の最後の写真になりました。シロちゃん、もし天国にいったのならサビーと寅次郎を見守ってやってくださいね。楽しい思い出をありがとう、シロちゃん。
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Commented by sirochan1212 at 2022-01-23 21:03
!!!!!そうでしたか~~~
寂しいねぇ~~
彼らたちは、神秘的で、摩訶不思議ですね。
う~ん、短い間だったけど、白ちゃんは、喜んで虹の橋を渡ったと思います。
いいお話でしたね、白ちゃんのこと、絵本にしてあげて~~~~
命あるものは、いつかはお別れしなければならないけど…。
やっぱり切ない…。辛い…。合掌
Commented by karokusan461-2 at 2022-01-26 23:53
切ないです。
冷たい何処かで眠ったのかと思うと、それが自由な彼らの願いだったとしてもね…
あのまま、チュールとかを与えなければ、温かい猫ハウスでそのまま最後の眠りにつけたのでは…と思うとね
by karokusan461-2 | 2022-01-23 20:30 | ライフスタイル | Comments(2)